[医療機関向け] 2024年診療報酬改定 コード付き

謝辞とお願い

上記前稿は、サイトのトップページの約10倍のアクセスを集める人気記事となっていました。
多くの方に検索・御利用頂いている結果です。ありがとうございます。

ここで、ひとつ御願いがあります。
本稿記載内容がお役に立ちましたら、google クチコミにて高評価を頂き、当医療機関を応援いただけませんでしょうか。 アクセス数以外にも人の役に立ったことを示す指標を頂けますと、私のやる気アップにつながります。
コメントは空欄でも構いません。宜しくお願い致します。

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なおこれは、「閲覧者に有用なコンテンツは、投稿者(私)にもメリットをもたらしうるのか」という実験的試みでもあります。

対象 - 無床診療所

本稿は無床診療所を念頭に記載している。
入院診療や疫学調査を行う医療機関(定点把握機関)については考慮していない。

処方に関しては院外処方(処方箋料)を念頭に置いている。院内処方(処方料)関連については一切考慮していない。

また、施設加算については各施設の届出状況に応じて算定できないものもあるので、御留意いただきたい。

コードを併記する

厚生労働省の通知を読むだけでは実務には直結しない。コードが併記されていないからである。
在医総管なんて、検索すると50個くらい出てくるし。

本稿ではコードを併記することで、即戦力となる情報を提供したい。

なお、当院のレセコンは ORCA であり、2024.05.30 07:10 時点での最新バージョンのマスタを参照している。
(最終的に .uke ファイルの様式が統一されているわけだから)コード自体はレセコンが変わっても同一のはずである。

記載様式は以下

コード 算定項目 点数 解説(必要時のみ)

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各論

時間外対応加算1

施設要件変更。再届出不要。コード変更無し
毎日算定できる

112016070 時間外対応加算1 5

ORCA は自動算定(3001)

※ 一般論として、ORCA の自動算定は
91.マスタ登録 → 101.システム管理マスタ → 1006.施設基準情報
診療コードのセルに目的のコード(上記例では「112016070」を入力してエンター)
移動後の画面でフラグを1にして確定

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機能強化加算

施設要件変更。再届出不要。コード変更無し
初診時のみ

111013770 機能強化加算(初診) 80

ORCA は自動算定(3522)

掲示必要

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外来・在宅ベースアップ評価料1

届出が必要。毎日算定できる

180725710 外来・在宅ベースアップ評価料(1)1(初診時) 6 外来初診
180725810 外来・在宅ベースアップ評価料(1)2(再診時等) 2 外来再診
180725910 外来・在宅ベースアップ評価料(1)3(訪問診療時)イ 28 訪問診療1人だけ
180726010 外来・在宅ベースアップ評価料(1)3(訪問診療時)ロ 7 訪問診療 同一建物居住者

ORCA は自動算定(4307)

※ 評価料(2)も存在するが、当院は算定しないので。。

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医療情報取得加算

旧、医療情報・システム基盤整備体制充実加算
今回は、初診時も再診時も算定可能。
ただし、
初診料に付随 → 一人の患者につき、月1回
再診料に付随 → 一人の患者につき、3ヶ月に1回

マイナかどうかで点数が変わる。
施設基準は既存のオンライン資格確認システムの導入。再届出は不要。

患者からみると「紙保険証を出すと罰金」状態。

本来医療情報取得加算は「診療情報・薬剤情報の取得・活用にかかる評価」であるから、 紙<マイナ として、差額を「診療情報・薬剤情報の取得・活用に対する医師の技術料」と捉えるのが直接的な解釈である。ところが、実際には紙>マイナである。「マイナ保険証の利用拡大により『診療情報・薬剤情報の取得・活用』がより広範に行われる社会を目指せるので、マイナ保険証利用者を優遇する制度」と深読みする必要があるのだろう。きっと。

111703170 医療情報取得加算1(初診) 3 対面外来・初診・紙
111703270 医療情報取得加算2(初診) 1 対面外来・初診・マイナ
112708870 医療情報取得加算3(再診) 2 対面外来・再診・紙
112708970 医療情報取得加算4(再診) 1 対面外来・再診・マイナ
113705270 医療情報取得加算1(医学管理等) 3 包括・初診・紙
113705370 医療情報取得加算2(医学管理等) 1 包括・初診・マイナ
113705770 医療情報取得加算3(医学管理等) 2 包括・再診・紙
113705570 医療情報取得加算4(医学管理等) 1 包括・再診・マイナ

ORCA 自動算定なし。自動削除はさすがにあるだろう。
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医療DX推進体制整備加算

事前に届出必要
現時点で当院は届出なし。
要件を満たしそうなので、7月から算定予定。

(2024.06.24) 届出を行った。

これについては京都府医師会の解説ページがわかりやすい。
オンライン資格確認が義務化されている現在では、算定できない医療機関を見つける方が難しい。

初診時のみ、かつ、月1回

111703370 医療DX推進体制整備加算(初診) 8

ORCA は自動算定(4035)

院内掲示/web が必要

ところで、113705470 医療DX推進体制整備加算(医学管理等)というコードはいつ使うんでしょうかね?
初診時から算定できる医学管理とは。

一般名処方加算

施設基準として院内掲示/web が必要となっている。

120003570 一般名処方加算2(処方箋料) 8
120004270 一般名処方加算1(処方箋料) 10

ORCA は自動算定

※ 外来後発医薬品使用体制加算はそもそも処方箋料(院外処方)ではなく処方料(院内処方)に対する加算であり、無関係
※ 薬剤情報提供料も院外処方においては無関係。

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地域包括診療料2 / 認知症地域包括診療料2

施設基準変更。
9/30までは施設基準が経過措置
院内掲示必要
健康相談 / 介護支援専門員及び相談支援専門員 / 長期投薬リフィル処方箋
web にも掲載が必要
再度届出が必要

113015810 地域包括診療料2 1600
113018410 認知症地域包括診療料2 1613

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処方箋の新様式(選定療養費関連)は10月1日から

処方箋の様式変更(後発医薬品への変更不可が医師判断によるものか、患者希望によるものかを記載)については、2024年10月1日から施行。

長期収載品に係る処方箋様式の改正等については令和6年10月1日から施行されることとされた

「長期収載品の処方等又は調剤について」厚生労働省保険局医療課長/厚生労働省保険局歯科医療管理官, 保医発0327第11号, 令和6年3月27日

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特定疾患療養管理料(診療所)

対象疾患が減ったが、存続している。「月2回算定」も変更無し。

「初診料を算定した日から1ヶ月経過するまでは算定不可」も同じ。

113001810 特定疾患療養管理料(診療所) 225

気になる「対象疾患の減少」であるが、以下が削除

高血圧症
糖尿病
脂質異常症

ただし、脂質異常症のうち、家族性高コレステロール血症等の遺伝性疾患は依然として特定疾患療養管理料の対象に残る。

追加された病名もあり、以下。

Guillain-Barré 症候群
アナフィラキシー

ここで、特定疾患療養管理料は従来から「脳血管疾患」も対象疾患としている。一方、特定疾患療養管理料は「初診料を算定した日から1ヶ月経過するまでは算定不可」であるから、脳血管疾患の急性期にこれを対象として特定疾患療養管理料を算定することはあり得ない。従って、特定疾患療養管理料の対象疾患である「脳血管疾患」とは、実質的には脳血管疾患の後遺症、すなわち、脳梗塞後遺症や脳出血後遺症も含むものと解される。故に、上記「Guillain-Barré 症候群」は、実質的には「Guillain-Barré 症候群の後遺症による運動障害・顔面神経麻痺・呼吸障害」を指すものと解される。
「アナフィラキシー」については、「アナフィラキシーの既往を伴う食物アレルギー」に対してエピペンを処方するような症例が対象と思われる。

なお、「初診から1ヶ月間は算定不可ルール」の根拠は、「初診の日から1月以内に行った管理の費用は、初診料に含まれるものとする。」という通知の文言による。
たまにこれを「病名をつけてから1ヶ月間は算定不可」と記憶している者がいるらしいが、論外。このように記憶する者は、上記通知を「病名をつけてから1ヶ月以内に行った管理の費用は、以前に(患者によっては数十年前に)算定した初診料に含まれる」と曲解していることになる。

ORCA は自動算定機能あり。
(ただし、「対象疾患の病名がついていれば、主病でなくても自動算定」という挙動であったため、誤算定の元であった。)
(また、そもそも指導料・管理料の類いは自動算定とするべきではない。これらはそもそも医師の技術料であり、算定要件(指導の実施・カルテ記載・療養計画書の作成 etc.)を満たした際に初めて医師が明示的に算定すべき項目である。)

※ 一般論として、ORCA の自動算定は
91.マスタ登録 → 101.システム管理マスタ → 1006.施設基準情報
診療コードのセルに目的のコード(上記例では「113001810」を入力してエンター)
移動後の画面でフラグを1にして確定

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特定疾患処方管理加算

処方箋料(院外処方)に対する加算。

27日以下 (旧: 特定疾患処方管理加算1(18点)) --- 廃止

まず、対象疾患についての薬剤の処方日数が27日以内であった場合に算定してきた以下は廃止
特定疾患処方管理加算1(18点) --- 廃止

28日以上 (旧: 特定疾患処方管理加算2(66点) --- 減算して残留

対象疾患についての薬剤の処方日数が28日以上であった場合は、引き続き下記を算定する。
なお、特定疾患療養管理料本体の対象疾患の減少に伴い、以下は対象疾患から削除

高血圧症
糖尿病
脂質異常症
ただし、脂質異常症のうち、家族性高コレステロール血症等の遺伝性疾患は依然として特定疾患療養管理料本体の対象に残る。当然処方管理加算の対象としても残っている。

120005710 特定疾患処方管理加算(処方箋料) 56

ORCA は自動算定機能あり。
なお、特定疾患処方管理加算独自の設定があるわけでは無い。上記特定疾患療養管理料の自動算定を on にすると、連動して処方管理加算の自動算定機能が動く。

主病要件、投薬要件(主病に対する投薬が28日以上)があり。
主病名が重複しないので、実質的には生活習慣病管理料との併算定があり得ない。
基本的には、特定疾患療養管理料を算定する患者にのみ発生する。
ただし、内科で気管支喘息が主病で28日投薬、皮膚科で尋常性乾癬について加療中、という場合には、皮膚科特定疾患指導管理料 + 特定疾患処方管理加算 を算定するのが最大値となる。
(特定疾患療養管理料 225点 < 皮膚科特定疾患指導管理料1 250点)

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生活習慣病管理料については別稿

以下については別稿とする。

生活習慣病管理料1
生活習慣病管理料2

本稿でお伝えする内容に加えて、下記を伝達している。
対象疾患
算定時の注意点(初回から生活習慣病管理料1/2を注意して算定しないと、実質的に変更不可となってしまう)
算定タイミングの変更
施設基準
算定項目 (コード付き)
個別の患者に対する算定要件

療養計画書の交付タイミング / 署名の必要性の検証
療養計画書の excel ファイル(主病: 高血圧症/脂質異常症/1型糖尿病/2型糖尿病 にあわせて、4つ作成した。)
療養計画書自動作成のためのアルゴリズム(python, SQL 関連)
当院で療養計画書の excel ファイルを自動作成・患者情報を自動入力している python の code

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