生活習慣病-総論

eyecatch_生活習慣病

生活習慣病の診療の目的

結論

地域の健康寿命を延長させることを目的とする。


論理構成

生活習慣病のコントロールを適切に行う。
これにより、重大な合併症(心筋梗塞や脳梗塞や認知症)の出現を抑制する。
最終的には地域の健康寿命を延長させる。


これまでの経験との関連

私(院長)は、医師としては若い頃から外来診療の機会に恵まれ、多くの患者さんの生活習慣病のコントロールに携わってきました。健康寿命の延長が喫緊の課題であるとされる現在の日本において、価値ある経験をしてきました。
これらの経験と最新の知見を元に、地域医療に貢献したいと考えます。


「健康寿命」についてより詳しく

日本人の平均寿命は伸びている。

現在の日本人の平均寿命は男性 80.98年, 女性 87.14年 といずれも過去最高を更新しました。
(厚生労働省.「2016年簡易生命表」)

健康寿命という考え方

世界保健機関(WHO)は「健康寿命」という概念を提唱しています。健康寿命とは、「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」とされています。
(WHO定義 2000年, 日本語訳は厚生労働省ホームページによる)

平均寿命は伸びているが、健康寿命はわずかにしか伸びていない。

(健康寿命のデータが存在する期間で考察します。)
平均寿命は平成13年からの10年間で 男性で 1.48年, 女性で 1.37年 延びています。
一方、同期間での健康寿命の延びは、男性で 1.02年, 女性で 0.97年 に過ぎません。
(平均寿命: 簡易生命表 あるいは 完全生命表. 厚生労働省.)
(健康寿命: 健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究)

つまりは、寿命は延びているものの、不自由を抱えて生きる期間も同様に延びているということになります。
当然これは望ましい状態ではありません。「健康に長生き」がベストであるのは間違いないでしょう。

健康寿命は延長できるのか? – > 生活習慣病のコントロールにより期待できる。

健康寿命を延長するために、体が動かなくなったりこれまでと同じように物事を判断できなくなったりする「合併症の出現」を抑えることが必要であるのは明らかです。
そして、「合併症の出現」を抑えるために生活習慣病のコントロールが重要であることを示す科学的根拠は大量にあります。(下記コラム)

生活習慣病の放置と合併症、失われる身体機能 (表)

放置する生活習慣病 合併症の例 合併症の症状 (例) 参照
高血圧症 1. 心血管病 (心筋梗塞・大動脈解離など)
2. 脳卒中 (脳梗塞・脳内出血など)
1. 長時間歩けなくなる。あるいは突然死
2. 体の一部を動かせなくなる。あるいは突然死
*1
脂質異常症
(=高脂血症)
心筋梗塞 長時間歩けなくなる。あるいは突然死 *2
高尿酸血症
(=痛風)
腎障害 *6 週に10時間以上の透析通い *3
糖尿病 1. 心血管病 (心筋梗塞・狭心症など)
2. 脳卒中 (脳梗塞など)
3. 閉塞性動脈硬化症
4. 糖尿病性末梢神経障害
5. 壊疽
6. 糖尿病網膜症
7. 糖尿病性腎症
1. 長時間歩けなくなる。あるいは突然死
2. 体の一部を動かせなくなる。あるいは突然死
3. 長時間歩けなくなる。
4. 痛む。あるいは発汗障害、立ちくらみ
5. 足の切断など
6. 目が見えなくなる
7. 
週に10時間以上の透析通い
*4
睡眠障害 認知症 (高齢女性において) これまでと同じように物事を判断できなくなる。 *5

*1 高血圧治療ガイドライン2014 (JSH2014), 日本高血圧学会
*2 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012, 日本動脈硬化学会
*3 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版2010, 日本痛風・核酸代謝学会
*4 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2016, 糖尿病治療ガイド2016-2017, 日本糖尿病学会
*5 Yaffe K, et al. Sleep-disordered breathing, hyposia, and risk of mild cognitive impairment and dementia in older women. JAMA. 2011:306(6):613-619.
*6 メタボリックシンドローム,慢性腎臓病(CKD),高血圧・心血管系疾患との関係においても注目されている。

各生活習慣病の具体的な診療方針についてはメニューからサブページを参照ください。