[医療機関向け] [2024.04.01-] コロナ関連加算ほぼ終了

対象 - 無床診療所

本稿は無床診療所を念頭に記載している。
入院診療や疫学調査を行う医療機関(定点把握機関)については考慮していない。
訪問診療や電話等による診療、罹患後症状のマネジメントについても考慮していない。

背景 - 政策変更

厚労省事務連絡「令和6年度診療報酬改定による恒常的な感染症対応への見直しを踏まえた新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の取扱い等について」 令和6年3月5日

変更点まとめ - ほぼすべての加算が終了

「院内トリアージ実施料」の後継であった、「113046250 特定疾患療養管理料(100床未満の病院)(特例)(10月以降), 147点」も廃止

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A. 算定項目・病名

当院における施設加算を含んだ例を示す。

今後は、陽性例・陰性例で病名が変わるだけ。算定項目は同じ。

陽性例

2024.04.01-

(通常保険)
111000110 初診料 288点
111013770 機能強化加算(初診) 80点 <当院施設加算>
111015970 医療情報・システム基盤整備体制充実加算1(初診) 6点 <従来型保険証>
113046250 特定疾患療養管理料(100床未満の病院)(特例)(10月以降) ---> 廃止(*1)
160230050 SARS-CoV-2・インフルエンザウイルス抗原同時検出(定性) 420点
160208510 鼻腔・咽頭拭い液採取 25点
160062110 免疫学的検査判断料 144点
120002910 処方箋料(リフィル以外・その他) 68点
120005470 一般名処方加算1(処方箋料)(経過措置) 9点
※ 抗ウイルス薬の公費も廃止。処方箋を分ける必要は無い (*2)

必要な病名

8850640 コロナウイルス感染症2019・ウイルス同定 (主病名。陽性例であるから。)
8850104 COVID-19 の「疑い」 (抗原検査に対して / 同日中に中止として構わない)
4871001 インフルエンザ の「疑い」(抗原検査に対して / 同日中に中止として構わない)
※ この他、投薬に対する病名が必要

なお、確定病名は上記で正しい

解説

(*1) 「特定疾患療養管理料(100床未満の病院)(特例)(10月以降)」---廃止

厚労省事務連絡「令和6年度診療報酬改定による恒常的な感染症対応への見直しを踏まえた新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の取扱い等について」 令和6年3月5日

上記通知により、「かつての臨時的通知が廃止」となるため、終了。

(*2) 公費での処方箋の作成 ---廃止

抗ウイルス薬の公費補助がなくなるため、終了

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陰性例

※ 算定項目は陽性例と同じ

必要な病名

8850641 コロナウイルス感染症2019・ウイルス未同定 (陰性例であるから。)
8850104 COVID-19 の「疑い」 (抗原検査に対して / 同日中に中止として構わない)
4871001 インフルエンザ の「疑い」(抗原検査に対して / 同日中に中止として構わない)
※ 従って、実態に応じて主病名となる病名は必要。急性上気道炎やインフルエンザA型など。
※ この他、投薬に対する病名が必要

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B. 患者・旧濃厚接触者への感染拡大予防指導

法律上、陽性者への外出自粛要請は廃止済

・5類以降に伴い、感染症法に基づく外出自粛要請は終了している。濃厚接触者の指定もなくなっている。感染対策の実施については個人・事業者の判断が基本となっている。

厚生労働省の推奨

学生・生徒・児童・園児

そもそも学校保健安全法施行規則により、「発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」が出席停止期間

その他

下記厚生労働省の指診は引き続き有効である。指導内容はこれに沿っていれば良い。

・発症日を0日目として5日間は外出を控える。5日目に症状が続いていた場合は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどの症状が軽快して24時間程度が経過するまでは、外出を控え様子を見ることが推奨
・10日間が経過するまでは、不織布マスクを着用したり、高齢者等ハイリスク者と接触は控える
・同居者が新型コロナウイルス感染症にかかったら、可能であれば部屋を分ける。その上で、外出する場合は、発症者の発症日を0日目として7日目までは発症する可能性があることを考慮。この間は、手洗い等の手指衛生や換気等の基本的感染対策のほか、不織布マスクの着用や高齢者等ハイリスク者と接触を控える等の配慮。

新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について, 厚生労働省

院長の感想

本件関連記事は、月間7000アクセス等をたたき出す人気記事でしたが、おそらく今回で終了となるでしょう。
今後このようなパンデミックが起こらないことを祈りつつ、みなさん4年間、本当におつかれさまでした!

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