風疹の症状・先天性風疹症候群・ワクチンの目的

風疹の症状について教えて下さい

風疹は、発熱・発疹・リンパ節腫脹を3徴とするウイルス感染です。
発疹は顔面から始まり、24時間で全身へ広がります。概ね3日以内には治まります。

それだけ特徴的な症状があるのであれば、まず見逃すことは無いですね!

ところが、上の3徴が全て揃うことは少なく、そもそも自らが風疹にかかっていることをわからずに経過する(不顕性感染)人が結構な割合でいる (15-50%) とされているのです。
このような人達は、「カゼかな、なんとなく調子が悪いな」と思っているうちに治っていることになります。

症状は比較的軽いのですね。
でも、風疹という病気は、一般の風邪(感冒)とは分けて考えています。
インフルエンザウイルス感染のように、特効薬「的」な治療があるからですか?

全くそんなことはありません。
特効薬「的」な治療法は全くありません。発熱や関節痛に対して解熱薬を処方することがある程度です。

まとめると、
① 風疹の症状は非常に軽い。
② そもそも自分が風疹にかかったことを気づかずに過ごす人が結構な割合いるくらい、軽い。
③ その上、治療は通常のカゼと変わらない。
となります。では、なぜ国家や地方公共団体は風疹について特別な対応をしているのでしょうか?

実は、我々が(人類が)守ろうとしている対象は、既に産まれている人ではなくて、胎児です。
妊婦が風疹ウイルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群を発症する可能性があります。
具体的には、胎児に影響が出る確率は、以下とされています。
①妊娠12週までの感染で85%
②それ以後16週までの感染で50%
そして、先天性風疹症候群の症状は以下のように重篤です。
・視力障害 (白内障)
・聴力障害 (感音性難聴)
・心臓病 (動脈管開存症)
・発達の遅れ (精神運動発達遅滞)
「自ら身を守る術の無い胎児を守れ → 妊婦を守れ」 というのが、先天性風疹症候群予防のための基本戦略です。

胎児の先天性風疹症候群を予防する上で、必要なことは何でしょうか?

まずは、妊娠を希望する段階で、風疹ウイルスに対するワクチン接種 (予防接種) を女性自身が行っておくことが挙げられます。これにより周囲で風疹ウイルス感染が発生しても妊婦が罹患することは無くなるので、胎児が守られます。
女性は非妊娠期に2回の予防接種が推奨されています。(接種後2ヶ月は避妊が必要です)ここで、妊娠中は逆にワクチン接種が禁忌となります。妊娠前に行っておく必要がありますので注意して下さい。
(ただし、ワクチン接種後に妊娠が発覚した場合でも人工妊娠中絶を行う必要は無いとされています。念のため、こちらにも御注意ください。 - 「風しんワクチン接種後に妊娠が判明したり,避妊に失敗したりしても世界的にこれまで風疹ワクチンによる先天性風疹症候群の報告はない」- 産婦人科診療ガイドライン-産科編 2011)

しかし、ワクチン接種をしても、抗体が得られない人もいると聞いています。
先天性風疹症候群の予防を、妊娠希望女性の自助努力のみに委ねて良いのでしょうか?

ワクチン接種(予防接種)についての基本的な考え方に関する質問ですね。
ワクチン接種というのは「個人と社会を守る」ものです。
・ワクチン接種することで、個人レベルでは感染を防ぎ、あるいは少なくとも重症化を防ぐ (= 個人を守る)
・ワクチン接種することで、免疫力を持った人が増えるので、そもそも流行が減る (= 社会を守る)
風疹についても、「社会を守る」の観点から、様々な公的政策がとられています。
男性(胎児に直接感染させることはあり得ない)にも公費補助がなされるのはその一環です。(予算の関係上、当然対象に一定の制限はありますが。)
たとえば、大分市では、「妊婦健診等で抗体価が十分でないと判断された妊婦の配偶者」(等) も公費補助でのワクチン接種が行えるようになっています。

風疹の症状と対策のまとめ

(1) 症状は カゼ+α 程度で軽い。
(2) しかし、妊婦が感染すると、出生児に先天性風疹症候群という重い障害をもたらしうる病気を起こすことがある。
(3) 先天性風疹症候群予防のために、妊婦が前もって風疹ウイルスに対する抗体を持っておくことが重要。
(4) しかし、全ての女性がワクチン接種によって抗体を獲得できるわけでは無い。
(5) 従って、そもそも風疹が流行しない社会を目指すべきである。このために、可能な限り全てのヒトがワクチン接種を済ませて抗体を獲得しておくことが望ましい。
(6) 上記目的達成のため、様々な公費補助政策がとられている。

風疹ワクチン接種までの流れ

(1) 風疹の抗体価検査

当院で可能
まずは、風疹の抗体価検査を行い、風疹に対する免疫を持っているかどうかを確認します。
(この過程はワクチン接種を希望する場合、絶対に必要です。上記のように知らないうちに感染を経験して、既に免疫を獲得しているかもしれないからです。)
ここで免疫を持っていることが確認されれば、本人はワクチンを打つ必要がありません。
抗体価確認は血液検査で可能です。数日で結果が得られます。

(2) 風疹ワクチンの接種

当院で可能
上記で、「免疫を獲得していない」と判断された人が対象となります。
成人の場合は、1ヶ月以上開けて2回接種すると免疫獲得の確実性が増すとされ、特に女性については2回接種が推奨されています。
既に妊娠中の女性については禁忌であること、女性については接種後2ヶ月は避妊が必要であること、に注意してください。

現在行われている公費補助政策

政策の主体によって対象・内容が違います

以下の制度は、政策の主体によって対象・内容が違いますので、必ず居住地の情報を検索してください。

大分市による制度

次のページにより公示されています。→ 風しんの抗体検査および予防接種費用の助成について

抗体検査と予防接種では対象が異なりますので、御注意ください。

抗体検査

以下の方は、全額助成されます。
引用元のページで、持参すべき物を確認してから御来院ください。当院は、診療時間内であれば予約不要です。

無料

当院で可能

当院は予約不要

対象者は、以下に該当する方となります。(抗体検査実施日において大分市に居住していること)

妊娠を希望する女性
妊娠を希望する女性の配偶者などの同居者(※1)
抗体価が低い妊婦の配偶者などの同居者
(ただし、1,2,3とも、過去に風しんに係る抗体検査を受けた結果、十分な量の風しんの抗体があることが判明し、当該予防接種を行う必要がないと認められる方は除きます。)
※1)配偶者とは:婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある方を含みます。

同居者とは:生活空間を同一にする頻度が高い方

ワクチン接種

引用元のページで、持参すべき物を確認してから御来院ください。当院は、ワクチン接種については予約が必要です。

最大5,000円の助成
当院で可能
当院で行った場合、窓口での支払いは ¥5,800 となります。
[A] 対象者は、以下に該当する方となります。(ワクチン接種日において大分市の住民であること。)

妊娠を希望する女性(経産婦を含む。)
妊婦の配偶者(ワクチン接種日において妊婦が大分市の住民であること。)※妊婦は予防接種を受けられません。

[B] 予防接種の助成対象者の条件

風しん抗体検査により抗体価が十分でないと判断された妊娠を希望する女性
妊婦健診等で抗体価が十分でないと判断された妊婦の配偶者(※2)

(※2)配偶者:婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある方を含みます。ただし、それ以外の同居者は対象となりません。

※以下の方は対象外となります。
・MRワクチンまたは風しん単独ワクチンを2回以上接種したことのある方、明らかな風しんの罹患歴のある方
・既にこの事業の助成を受けた方(MRワクチンまたは風しん単独ワクチンのいずれか)

<一部改行、段落分けと共に引用>

予防接種については、

(1)麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)を接種した場合 5,000円
(2)風しん単独ワクチンを接種した場合 3,000円

(この額を上限としますので、指定医療機関で接種した場合は、接種費用から、上記の助成額を差し引いた額を医療機関にお支払いただくことになります。)

<一部改行とともに引用>

現在、風疹単独ワクチンは入手困難ですので、麻疹風疹混合ワクチンを接種します。許容性は以下に示します。

Q9.風しんの予防接種を受けるのに、単独の風しんワクチンの代わりに、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を接種しても健康への影響に問題ありませんか?

A9.風しんの予防対策としては、MRワクチンは単独ワクチンと同様の効果が期待されます。
また、風しんワクチンの代わりにMRワクチンを接種しても、健康への影響に問題はありません。むしろ麻しんの予防にもつながる利点があります。
ただし、MRワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。これは、おなかの中の赤ちゃんへの影響を出来るだけ避けるためです。
また、風しんの単独ワクチン、麻しんの単独ワクチンの接種にあたっても、妊娠している人は接種を受けることはできません。接種後2カ月程度、妊娠を避けるなど同様の注意が必要です。

厚生労働省による制度 (クーポン券)

抗体検査・ワクチン接種の対象者が同一

以下の方は、全額助成されます。

無料

当院で可能

当院は予約不要

2022年3月31日までの間に限り、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性(対象世代の男性)が風しんに係る定期の予防接種の対象者として追加されました。

青い封筒で「クーポン券」が届いた方が対象です。
・男性のみ
・年齢制限あり
であることが特徴です。
※ この年代は、女性にのみワクチン接種が行われていました。男性はほとんど未接種です。
この場合も、「抗体検査 → 免疫未獲得を証明 → ワクチン接種」の流れは一緒です。

助成無しの場合の料金の御案内

当院で可能
予算の関係上、政策で助成される対象には制限があります。
それでも、風疹ワクチンの接種を望まれる方がいらっしゃると思います。例えば以下のような方です。
・予防接種の目的の一つである、「社会を守るため」にぜひとも接種しておきたい。
・海外渡航予定のため、接種しておきたい。

(前略・中略・後略あり)

3.風しんについて
海外で感染して帰国後発症する「輸入例」の割合が増えています。

4.麻しん・風しんの予防について
麻しんもしくは風しんにかかった(検査で診断された)ことが明らかでない方が海外渡航される時には,あらかじめ母子手帳などで麻しん・風しんの予防接種歴を確認し,予防接種を2回接種していない方,または接種歴が不明な方は麻しん風しん混合ワクチンによる予防接種を検討してください。

このような場合は、全額自己負担となりますが、当院でも対応しています。
抗体検査: ¥5,400
麻疹風疹混合ワクチン: ¥10,800 (※)
としております。
(※) 現在、風疹単独ワクチンは入手困難ですので、麻疹風疹混合ワクチンを接種します。許容性は以下に示します。(再掲)

Q9.風しんの予防接種を受けるのに、単独の風しんワクチンの代わりに、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を接種しても健康への影響に問題ありませんか?

A9.風しんの予防対策としては、MRワクチンは単独ワクチンと同様の効果が期待されます。
また、風しんワクチンの代わりにMRワクチンを接種しても、健康への影響に問題はありません。むしろ麻しんの予防にもつながる利点があります。
ただし、MRワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。これは、おなかの中の赤ちゃんへの影響を出来るだけ避けるためです。
また、風しんの単独ワクチン、麻しんの単独ワクチンの接種にあたっても、妊娠している人は接種を受けることはできません。接種後2カ月程度、妊娠を避けるなど同様の注意が必要です。

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